「緑茶で認知症予防」って本当?―12年間の研究でわかったこと
「最近、物忘れが多くなった気がする」「認知症になったらどうしよう」――こうした不安を抱える方は、年齢にかかわらず多くいらっしゃいます。そんな中、私たち日本人にとってとても身近な「緑茶」が、認知症の予防につながる可能性があるという興味深い研究結果が、新潟大学の研究チームから発表されました。
これは12年間という長期間にわたって1万人以上を追跡した大規模なコホート研究で、緑茶の摂取量と認知症の発症リスクとの関係を調べたものです。
緑茶をよく飲む人は、認知症になりにくい?
研究によると、緑茶を多く飲んでいた人ほど、将来的に認知症を発症するリスクが低かったことがわかりました。
1日150mLの緑茶を1杯追加するごとに、認知症のリスクが約4.8%低下したという結果が出ています。つまり、毎日3~4杯の緑茶を飲んでいる方は、それだけで認知症リスクをある程度抑えている可能性があるということです。さらに、他の生活習慣(たとえば、運動、喫煙、食事内容、学歴など)を考慮に入れても、緑茶の効果は独立して存在していることが示唆されました。
コーヒーとの違いは?
一方で、「緑茶もコーヒーもたくさん飲んでいればもっといいのでは?」と考える方もいるかもしれません。しかし、今回の研究では緑茶とコーヒーを両方とも多く摂取しているからといって、認知症予防効果が上乗せされるわけではないことも明らかになりました。むしろ、カフェインの過剰摂取には注意が必要かもしれません。
緑茶の何がいいのか?
緑茶にはカテキンやテアニン、ビタミンC、カフェインなど、健康に良いとされる成分が豊富に含まれています。特にカテキンは、抗酸化作用や抗炎症作用が強く、脳の神経細胞の劣化を防ぐのに役立つと考えられています。
また、緑茶はリラックス効果もあり、日常のストレス軽減にもつながることが、脳の健康にはプラスになるかもしれません。
じゃあ、毎日どれくらい飲めばいいの?
研究では1日3〜4杯以上の摂取がリスク低下と関係していたとされています。ですので、1日3杯程度を目安に、日常的に緑茶を取り入れてみてはいかがでしょうか。
ただし、緑茶にもカフェインが含まれていますので、就寝前の飲用や、胃の弱い方は注意が必要です。
最後に:食生活と生活習慣も大切
もちろん、緑茶を飲むだけで認知症が完全に防げるわけではありません。適度な運動、バランスの良い食事、社会とのつながり、睡眠など、生活習慣の全体を整えることが何よりも大切です。
それでも、日本人の生活に溶け込んだ「緑茶」が、健康の一助となるのはうれしいことですね。当院でも、認知症予防や物忘れが気になる方へのご相談を受け付けています。お気軽にご相談ください。
