新型コロナウイルス感染症(COVID-19)から回復した学生アスリートに心臓へのダメージが認められました
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の猛威もなかなか終息の兆しが見えません。感染者も日本のみならず、世界的に爆発的に増えており、改善されたのは良いですが後遺症に悩まれている方も増えてきております。そんな中、米国で心臓に対するダメージが残る可能性の報告がありました。
米国の合併症のない新型コロナウイルス感染症から回復学生アスリート54例(平均19歳、85%が男性)を対象に、心エコーと心MRIを用いて心臓異常を評価したところ、その結果、16例(30%)が無症状、36例(66%)にCOVID-19による軽度の症状、2例(4%)に中等度の症状が報告されました。心MRI検査を実施した48例のうち27例(56.3%)に異常所見があり、そのうち19例(39.5%)には心筋と心臓を包む膜(心膜)のダメージを疑う所見がありました。
実はその後ドイツからの報告もあり、軽症患者が対象で完全回復して 2カ月後に MRI を実施、結果70%に異常がみられています。こうした心臓の不顕性所見がどのような影響を長期的にもたらすのかはまだ分かりませんが、慎重に予後を追っていく必要があると思います。
テレビインタビューで若者が自分たちは死なないからと、外出や密になる行為を行う映像が流れます。自分たち家族を含む周囲の高齢者や基礎疾患を持つ人に対する感染リスク増加ももちろんですが、自身にもまだ分からない後遺症、合併症がありえます。ワクチンをはじめ感染のコントロールが整うまでは、感染予防に努めてほしいですね。