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やっぱりたばこは脳梗塞の経過に悪影響を及ぼす

[2020.03.21]
 タバコは脳梗塞になりやすくなる危険として認識されていますが、脳卒中発症前の喫煙状況が、脳梗塞急性期の血栓溶解療法(血管に詰まった血液の塊を溶かす治療)に関しては、30年以上前よりたばこを吸わない人と比べタバコを吸う人の方が予後良好であるとの報告が幾つかなされており、「smoker's paradox」などと呼ばれてきました。本当にこのよう「paradox」があるのでしょうか?
 
 今回、福岡にて喫煙状況と急性虚血性脳卒中後の経過との関連を解明することを目的に研究が行われ報告がありました。
 
 2007年7月〜17年12月に入院し脳卒中発症前に自立していた急性虚血性脳卒中患者1万285例を対象に、喫煙状態と臨床アウトカムの関連について検討しました。その結果血栓溶解療法を受けた人の中で、それまでタバコを吸っていた人はすっていなかった人に比べ予後がよいどころか、かえって悪いという結果でした。また1日40本以上吸っていた人、1日の喫煙本数といつ円年数をかけて数字が1200以上の人はさらに悪い経過でした。途中で禁煙した人でも禁煙2年以内はタバコを吸っていなかった人に比べ悪い経過でした。
 
 やはりタバコを吸う人は脳梗塞になりやすいばかりではなく、なった後の経過も悪いようです。なおタバコを吸う人は吸わない人より10歳若く脳梗塞になるといわれています。先の報告でも禁煙2年まではタバコを吸っていない人より脳梗塞の経過が悪かったですが、逆に2年以上禁煙した人は、元来タバコを吸わない人と同様の経過になったということです。今タバコを吸っておられる方も、是非近年にチャレンジしてみてください。
 
 なおご自身で禁煙に自信がない方は禁煙外来などで禁煙の援助が受けられます。当院でも行っておりますので、禁煙を考えている方は是非一度ご相談ください。
 
 
 
 
 
 
 

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