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コロナ陽性判定後の鼻洗浄で重症化リスクが1/8に!?

[2022.10.17]

新型コロナウィルス感染症の第7波もようやくピークを越えたようです。しかし、GOTO全国旅行キャンペーンや訪日外国人の増加など第8波や、新たな変異株の出現の可能性など、まだまだ予断を許さない状態と思います。ワクチンの普及に伴い、重症化される方の割合は減っていますが、オミクロン株の爆発的な感染力のため感染者数は増えており、結果的に重症化あるいは死亡される方の人数も増えています。
 そんな中、新型コロナウイルスの陽性判定後であっても、1日2回の鼻洗浄によって入院や死亡のリスクが低減することが、米国・Augusta UniversityのAmy L Baxter氏らにより報告されました。新型コロナウイルスは人の細胞にあるACE2受容体に結合して細胞内に侵入することが知られていますが、ACE2受容体にまだ結合していないウイルスを洗い流すことで、重症化を防ぐことができる可能性があり、鼻洗浄の研究がなされました。

 解析対象は、2020年9月24日~12月21日に実施された新型コロナウイルスのPCR検査で陽性となり、24時間以内に登録された55歳以上のハイリスク患者79例でした。平均年齢64±8歳、女性が36例(46%)、非ヒスパニック系白人が71%、平均BMIが30.3でした。

 参加者を、240mLの生理食塩水に、10%ポビドンヨード液(2.5mL)または重曹(2.5mL)を混和した群に無作為に割り付け、14日間、1日2回鼻洗浄を行ってもらいました。ポビドンヨード群は37例、重曹群は42例で、主要評価項目は登録28日以内の新型コロナウイルス感染による入院または死亡、副次的評価項目は鼻洗浄による症状の軽減としています。

結果は以下のようになりました。
・参加者は、79例中62例が連日鼻洗浄を行いました(1日平均1.8回)。
・入院はポビドンヨード群で1例発生し、重曹群ではいませんでした(1.27%)。また死亡は両群ともいませんでした。
・鼻洗浄をしない人達(対照群)では、28万533例(9.47%)が入院し、入院データのない患者の死亡は4万4,773例(1.5%)でした。
・対照群の入院・死亡リスクは、鼻洗浄を実施した人の8.57倍でした。
・鼻洗浄液の種類にかかわらず、1日2回の鼻洗浄を実施した人のほうが症状は早く軽減しました。

現在、当院では副鼻腔炎の1部の患者さんに鼻洗浄をお勧めしていますが、新型コロナウイルス感染症の方にも効果がある可能性があります。現時点で全員にオススメするわけではありませんが、大きな副作用もなく、ご症状によっては対応させていただきますので、ご遠慮なくご相談ください。

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