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ビタミンD値はCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)のかかりやすさや予後に関連する?

[2020.06.11]

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の予防や死亡率低下にビタミンDが有効なのではないかとの意見が提唱されていますが、その可能性を支持する新たな2件の研究が報告されました。

 一つ目の研究は、英国の研究者らにより報告されました。欧州20カ国の国民の平均ビタミンD値とCOVID-19への影響との関連を検討した結果、ビタミンD値が高い国ほどCOVID-19の罹患率、死亡率が低いという、負の相関が認められたとしています。イタリアやスペインなど南欧の人々は、皮膚の色素が濃いためビタミンDの合成量が少ないと考えられ、その一方で、北欧の人は肝油やビタミンDサプリメントを摂取していることが多いと、研究者らは述べています。

 二つ目のデータは米ノースウエスタン大学のAli Daneshkhah氏らが、米国を含む10カ国のデータを解析したところ、ビタミンD低値と過剰な免疫反応との関連が認められたといいます。この知見により、COVID-19による小児の死亡率が低い理由など、いくつかの疑問を説明できると研究グループは述べています。

 しかし、どちらの研究も因果関係を裏づけるものではありません。「ビタミンD低値と疾患の関連を示した研究はいくつもあるが、ビタミンD値を上げれば病状が改善するとは限らない」、「平均ビタミンD値が低い一部の国で、そのことがCOVID-19の罹患率や死亡率が高い理由だとするのは、あまりに短絡的だ」という研究者もいます。

 COVID-19重症化後のビタミンDの有効性はまだはっきりといえないと思います。しかし普段からビタミンD値の高い状態を維持することが、COVID-19の予防につながる可能性はあり得ます。そしてビタミンD値を上げるには、サプリメントを利用しなくても、1日10~15分日光を浴びればよいですし、ビタミンDは脂質の多い魚、栄養強化した乳製品やシリアル、牛レバー、チーズ、卵黄にも含まれています。骨粗鬆症予防にも効果がありますし、日常生活の中でこういった食事や日光浴を取り入れてみられてはいかがでしょうか?

 

 

 

 

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