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口ひげに口唇がんの予防効果?

[2019.10.15]

 ラグビーやバレーのワールドカップの盛り上がりがすごいですね。世界一流のプレーが見られるということもあり、テレビにくぎ付けの方も多いのではないでしょうか?この外国の選手たちを見ていますと、立派な口ひげを蓄えている選手も多いですね。中東等国によって口ひげは男らしさの象徴と考えられているところもあるそうです。しかし最近の研究で、口ひげは男らしさを演出できるだけでなく、思わぬ健康効果をもたらすとの報告があります。

 米カンザス大学ヘルスシステム皮膚科部長のDaniel Aires氏らによる研究で、若い頃から口ひげを生やしている男性は、そうでない男性に比べて口唇がんの発症につながる日光角化症になりにくい可能性があることが示されました。Aires氏は「毛髪に頭皮を守る働きがあるように、口ひげにも同様に唇を保護する効果があるようだ。しかし、こうした効果が科学的に検証されたことはこれまでなかった」と説明しています。

 頭部か顔面に日光角化症といううろこ状に鱗屑(肌のガサガサ)ができる前がん病変があると有棘細胞癌になりやすく、特に唇の皮膚は他の部位に比べ皮膚が薄いため進行が早く、生命にかかわる癌になりやすいといわれています。

 20歳前半から9㎜以上の厚さの口ひげを長年はやしていた人は、生やしていない人に比べ日光角化症になる確率が16分の1になるそうです。では、口ひげを生やしていない男性は、これから生やすべきなのでしょうか?

 この点について、Aires氏は「今回の研究に参加した男性は若いうちから口ひげを生やしていたため、年を取ってから生やした口ひげでも同じような保護効果が得られるかどうかは分からない」としています。ただし、日焼け止めを使用すると高齢者の日光角化症を予防できることが複数の研究で示されていることから、同氏は「口ひげにも同じロジックが当てはまる可能性はある」との見方を示しています。

 この研究は紫外線の影響を受けやすい白人種の方のため、日本人のような黄色人種への影響はもう少し少ないのかもしれません。しかし若いうちから過度の紫外線を浴びることは皮膚の健康には良くないようです。男らしい健康に焼けた肌というのも、過度にやりすぎるのは良くないかもしれません。

 

 

 

 

 

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