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帯状疱疹ワクチンで群発頭痛の9割が改善

[2019.12.26]
 ストレスが多い現代社会のためか、頭痛に困って来院される方が多くおられます。頭痛の原因として代表的なものに群発頭痛という病気がありますが、「目の奥を刺されるような」と表現される人もいるほどつらい頭痛を感じる方もおられます。
 
 その反復性群発頭痛には水痘・帯状疱疹ウイルス(Varicella Zoster Virus;VZV いわゆる水ぼうそうウイルス)の関与が示唆されています。東京女子医科大学脳神経外科客員教授の清水俊彦氏は、2007年に 反復性群発頭痛 患者ではVZV抗体価が高いことを発表、その後もVZVワクチンの群発頭痛予防効果に関する研究を重ねています。2019年11月の第47回日本頭痛学会では最新の検討を発表、VZVワクチン投与により 反復性群発頭痛 患者の9割で発作の改善が得られたと報告し、群発頭痛の再発を予防するためにはIgG抗体の定期的な測定や、VZVワクチンの投与が推奨されると述べました。
 
 反復性群発頭痛と診断された患者94例、全例にVZVワクチンを投与し、投与前後における 反復性群発頭痛 発作の状況を56カ月間追跡しました。検討の結果VZVワクチン接種により「良くなった」と回答した患者では、「分からない/良くなっていない」と回答した患者に比べて頭痛予防薬や頭痛薬の使用量に減少傾向が認められました。明らかな変化が現れていたのがスマトリプタンの自己注射で、後者の77.8%に対して、前者は44.3%と、30%減少しました。また投与36カ月後に行ったアンケートでは、71%が「改善した(発作が起きていない)」と回答、「変化なし」と答えた29%をさらに追跡したところ、56カ月後には63%が「改善した」、26%が「発作は起きたが短期間で改善した」と回答しています。
 
 ワクチン接種でつらい頭痛が起きにくくまた早く治るのであれば、頭痛を繰り返している方に朗報ですね。なお帯状疱疹予防のためのVZVワクチンは50歳以上の方が摂取可能です。現時点では群発頭痛予防のためにはまだ十分なデータとはいいがたいですが、帯状疱疹予防のためにVZVワクチン接種は可能ですので、お気軽にお問い合わせください。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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