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新型コロナウイルス、ネコからヒトへの感染が報告される

[2022.07.25]

新型コロナウイルス感染はオミクロン株、特にBA5の流行から爆発的に広がっています。
なかなか人と人のコミュニケーションもとりにくい世の中になりました。その中でネコからヒトに感染する可能性を疑う報告がありました。以前イヌへの感染、イヌからの感染もあり得るという報告もありましたが、ヒト同士だけではなくペットにまで接触を控えないといけなくなるのでしょうか?

ネコからヒトへの新型コロナウイルスの初めての感染がタイで確認され、その症例報告が、プリンスオブソンクラー大学(タイ)のThanitSila氏らにより報告されました。これを受けてカナダの専門家らは、「過剰に警戒する必要はないものの、対策の必要性を再認識すべきだ」と述べています。ゲルフ大学(カナダ)オンタリオ獣医学部教授のScottWeese氏は、「このウイルスは依然として、異種間伝播し得るものだと認識しておくことが重要だ」とニューヨークタイムズ紙に対して語っています。

この報告によると、タイ、バンコク在住の64歳の父親と32歳の息子の親子に新型コロナウイルス感染が確認されました。親子は、バンコクの入院用のベッドが満床だったことから、900km離れたプリンスオブソンクラー大学病院まで20時間かけて救急搬送されました。その間、飼いネコも同じベッドで寝ていたといいます。動物病院に預けられたこのネコを2人の獣医師が押さえ付けている間に、別の獣医師が鼻腔スワブと直腸スワブを採取、その際、ネコがこの獣医師の顔に向かってくしゃみをしました。3人の獣医師はいずれも手袋とマスクを着用していたが、フェイスシールドとゴーグルは着用していなかったといいます。その3日後、検体を採取した獣医師に症状が現れ、この獣医師とネコの双方で新型コロナウイルス感染が判明しましたが、残り2人の獣医師はウイルス陰性でした。
3人の陽性患者とネコの新型コロナウイルスの全ゲノムシーケンシングの結果、4者のゲノム配列は同一であり、同病院の位置するソンクラー地方で発症した他の患者のゲノム配列とは異なっていることが判明しました。

Weese氏は、「以前より、新型コロナウイルスがペットからヒトへ感染する可能性はあると考えていたため、今回のタイで起きたネコから獣医師への感染に驚きはなかった」と発言、別の研究では、飼い主からネコへの感染や、ネコ間での感染が起こり得ることも示されています。また新型コロナウイルスに感染したネコから飼い主に伝播する確率は、「極めて低い」が、ネコを飼う家で感染者が出た場合は、そのネコからヒトや他のペットへのウイルス拡散を防ぐための対策が必要だといいます。具体的には「自分が感染した可能性があり自主隔離する場合には、ペットとも距離を取るか、もしくはペットと自分を周りから隔離する」とのことです。

家族が新型コロナウイルス感染をきたした時には、ご家族中大変だと思いますが、家族同士だけではなくネコなどのペットとの接触も距離を空けないといけないようですね。ペットを飼っておられるご家庭では、もしご家族が新型コロナウイルス感染となったとき、ペットをどうするか前もってご相談しておいた方が良いのかもしれません。

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