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炭水化物を控えて代わりに脂肪を多くとるダイエット法は2型糖尿病患者に有益?

[2019.10.07]

 最近当院を受診されている方でも炭水化物を制限する方が炭水化物を控えて代わりに脂肪を多くとるダイエット法のケトジェニックダイエット(ケトダイエット)が2型糖尿病患者に有益である可能性がインドで行われた研究で示唆されました。ケトダイエットを3カ月間実施したところ、血糖値が有意に改善したといいいます。

 この研究では2型糖尿病患者130人(35~60歳、約3分の1が女性)に対し、12週間のケトダイエットを実施、典型的なインドの食生活での炭水化物摂取量は1日300~400gだが、本研究では1日最大20gに制限されました。総摂取エネルギー量は1日1,500~2,000kcalで、メニューはココナッツ油やバターなどの脂肪と、鶏肉や卵、羊肉、豚肉などの動物性食品、乳製品、緑色葉野菜などで構成され、ジャガイモやニンジンなどの根菜類は控えられました。

 ケトジェニックダイエットを始めるとき被験者は若干過体重でしたが、介入によって6.8~10kg減少し、正常範囲内に収まりました。糖尿病の病状の目安であるHbA1cは3カ月で7.8%から6.4%に低下しました。有害事象として認められたのは、軽い便秘のみでした。

 一方、被験者の10%以上(15人)が研究途中に脱落やめてしまいました。この点について、炭水化物の制限は一部の人にとって文化的に難しいことや、良質な脂質や動物性食品は炭水化物食品より高価であることから経済的理由も脱落につながったのかもしれません。

 糖尿病の人が食事の変化だけで比較的容易にダイエットと糖尿病の改善ができています。しかしケトダイエットでは穀類、パン、シリアルだけでなく、果物や野菜も制限されることが多く、ライフスタイルの大きな変更を伴う食事療法であり、また高脂肪で動物性食品が多い食生活は心疾患リスクを高める懸念もあり、長期的な影響はまだ分かっていません。

 

 

 

 

 

 

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