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読み聞かせには電子書籍より「紙の本」を選ぶべき?

[2019.06.21]

 先日小児のテレビへの接触機会を制限した方がよいようですとお伝えしましたが、幼児期の読み聞かせにも、電子書籍よりも昔ながらの紙の本を選ぶ方が良いようです。

 米ミシガン大学C.S. Mott小児病院小児発達行動学のTiffany Munzer氏らによる研究で、紙の本で読み聞かせをすると、電子書籍と比べて親子の会話や触れあいが増えることが分かりました。音声やアニメーション機能がないシンプルな電子書籍と比べても、結果は同様であったのことです。

 分析の結果、紙の本で読み聞かせをした方が、親子の会話が多く、子どもの発達を促すような触れあいが多く見られることが分かりました。例えば、動物の絵を指して鳴き声を尋ねたり、ストーリーを子ども自身の体験に関連付けて、「海に行ったときのことを覚えている?」などと話しかけたりする傾向も見られ、本を持ってページをめくるような動作を一緒に行うことも多くみられました。

 一方、電子書籍で読み聞かせをすると、子どもはストーリーよりも画面をタップしたり、スワイプしたりする動作に集中しやすく、読み聞かせをする親の方も電子機器の操作に気を取られ、本を読むよりもタブレットの操作を子どもに教えることに時間を費やす傾向が見られました。
 これまでの研究で、未就学児や低学年の子どもは、電子書籍で読書をすると紙の本と比べて読解力が低く、物語の出来事や詳細を覚えている確率が低いことが分かっていました。これほど普及したタブレットや電子書籍リーダーを、生活に取り入れないようにするのは難しいことかもしれませんが、なるべく使用を控えた方がよいようですね。もし電子書籍を使う場合には、本の内容をなるべく言葉にして表現するよう心掛けるなどの工夫が必要だと思います。

 

 

 

 

 

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