世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事
2018年4月の発売後10日間で発行部数10万部を突破したヒット作『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』(東洋経済新報社 )を読んでみました。
著者であるUCLA助教授・津川友介氏は、医師として科学的根拠(エビデンス)に基づき、「健康に良い食事」と「健康に悪い食事」を明確に位置づけています。一方、食事に関する「健康に良い・悪い」については、「『体に良くない』と説明しているのであって『食べるべきではない』と主張しているのではない」、 そして 「多くの人に自分の意志で健康になるか、それとも病気になるかを選択する力を持っていただきたい」と記しています。
この本の柱とも言えるのが「健康に良い食事」と「健康に悪い食事」の分類です。健康に良い食事には、「魚」「野菜と果物(ジュースとじゃがいもは含まない)」「(精製されていない)茶色い炭水化物」「オリーブオイル」「ナッツ類」の5点が挙がっています。栄養学に詳しくない素人でも「健康に良さそうだな」と感じると思いますが反面、健康に悪い食事には「赤い肉、(鶏肉以外)」「(精製された)白い炭水化物」「バターなどの飽和脂肪酸」の3点が挙がっており、日本人の代表的主食である「白米」を「健康に悪い」と明示したとも言える衝撃の内容になっています。
ただ皆さんに忘れないで頂きたいのは、科学的根拠に基づき「体に良くない」と説明しているのであって、「食べるべきではない」と主張しているのではない、ということです。健康に悪い「白い炭水化物」の1つである砂糖が入った「甘いもの」をデザートで食べられない生活は素気ないですし、お鮨などを思い浮かべれば白米を全く食べない生活はつまらなさそうです。時には、赤身肉のステーキも食べたくなるでしょう。
あまり完ぺき主義になりすぎず、気を付けるべき点を認識しながら、時には好きなもの、羽目を外した食べ方をしても、人生を豊かに過ごしていただくことが大事です。この本はクリニックの待合室にも置いておりますので、来院の際に手に取ってみられてはいかがでしょうか?