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尿酸値が上がりにくいアルコールは? ~日本人8万人のデータ~

[2023.08.28]
8月下旬になりましたが、暑い日が続いています。夜は冷たいビールやハイボールでお楽しみ、といった方も多いのではないでしょうか?しかし当院では、急に足が痛くなって、と受診される方も増えております。そうです、痛風発作です。痛風発作は尿酸が高くなることで発症しやすくなり、その尿酸が上がる原因で多いのは飲酒です。では、お酒の種類によって尿酸の上がりやすさは違いがあるのでしょうか?今回お酒と尿酸に関する日本人のデータが公表されましたので、御紹介致します。
 
飲酒は、高尿酸血症の重要なリスク因子ですが、アルコール飲料の種類ごとの血清尿酸値への影響の詳細はわかっていません。今回、聖路加国際病院の福井 翔氏らが、日本人7万8,153人の健康診断データを用いて横断研究を実施した結果、飲酒量をエタノール含有量で統一した場合、ビールでの血清尿酸値上昇は大きく、ワインでは中程度の上昇、日本酒での上昇はわずかで有意ではなかったことが示されました。
 
本研究は、2012年10月1日~2021年10月31日に聖路加国際大学で健康診断を実施した20歳以上の参加者を対象とした横断研究で、ビール、日本酒、焼酎、ワイン、ウイスキーの摂取量をエタノール含有量で統一し、血清尿酸値との関連を評価しました。血清尿酸値は健康診断時に測定、エタノール20gを含む各アルコール飲料を基準飲酒単位(ビール500mL、日本酒167mL、焼酎100mL、ワイン208mL、ウイスキー62.5mL)としています。
 
主な結果は、以下のとおりです。
本研究には、計7万8,153人が参加し、平均年齢は47.6歳、男性が3万6,463人(46.7%)、習慣飲酒者は4万5,755人(58.5%)でした。
主にビールを飲んでいる群では、男女とも一貫して血清尿酸値がアルコール摂取量に関連しており、1日1単位摂取(500ml)にて、男性で0.14mg/dL、女性で0.23mg/dL上昇していました。
主に日本酒を飲んでいる群では、血清尿酸値はわずかに上昇しましたが有意ではなく、日本酒167mlで男性で0.05mg/dL、女性で0.04mg/dL上昇でした。
主に焼酎を飲んでいる群では、血清尿酸値が中程度上昇し、焼酎100ml飲酒にて、男性で0.05mg/dL、女性で0.11mg/dL)上昇でした。
主にワインを飲んでいる群では、血清尿酸値が中程度上昇し、ワイン208ml飲酒にて、男性で0.12mg/dL、女性で0.12mg/dL上昇でした。
主にウイスキーを飲んでいる群では、ウイスキー62.5ml飲酒にて男性は0.18mg/dLと高かったですが、女性で0.06mg/dLの上昇でした。
 
本結果から、エタノール含有量を統一した場合も飲酒と血清尿酸値の関連の程度がアルコール飲料によって異なることが示唆されました。男女ともビールが一貫して高い血清尿酸値と関連していましたが、日本酒は血清尿酸値の変化と関連していませんでした。痛風が気になるけどお酒が呑みたい!!という人は日本酒が良いのかもしれませんね。もっとも美味しすぎて呑みすぎないことが大前提ですが⋯
 
 
<JAMA Network Open誌2023 Fukui S, et al. JAMA Netw Open. 2023;6:e233398>

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