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歯磨きで心臓を保護? 

[2020.01.14]

 8020運動という運動はご存知でしょうか?1989年(平成元年)より厚生省(当時)と日本歯科医師会が推進している「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という運動です。20本以上の 歯があれば、食生活にほぼ満足することができると言われています。そのため、「生涯、自分の歯で食べる楽しみを味わえるように」との願いを込めてこの運動 が始まりました。いつまでもおいしく自分の葉で食べ続けるためにも日々の歯磨きは重要ですが、この歯磨きが心臓の病気の予防にも有効ではという報告がありました。

 韓国・Ewha Womans UniversityのTae-Jin Song氏らは、韓国の国民健康保険データを用いて中高年約16万人を解析したところ、歯磨きの頻度と心房細動および心不全リスクの低下に関連が認められたと報告がありました。

1日3回以上の歯磨きで心不全リスク12%低下

 これまでの研究で、口腔衛生の不良は血中への細菌侵入による全身性炎症に結び付くこと、炎症は心房細動と心不全のリスクを上昇させることが分かっています。そこでSong氏らは、口腔衛生とこれら2つの心疾患発症との関連を検討しました。
 韓国の国民健康保険データから、心房細動と心不全の既往がなく2003~04年に定期健康診断を受けた16万1,286人(40~79歳)を登録し、身長、体重、臨床検査値、既往歴、生活習慣、口腔衛生に関する行動について情報を収集しました。中央値で10.5年の追跡期間中に、4,911人(3.0%)が心房細動を、7,971人(4.9%)が心不全を発症しました。
 その結果1日3回以上の歯磨きは、心房細動リスクの10%低下、心不全リスクの12%低下と関連していました。

歯の喪失数と心不全リスクにも関連

 また専門家による口腔ケアをすると心不全が減少、歯が22本以上なくなった人には心不全の増加がそれぞれ認められました。

 原因ははっきり解明されていませんが、頻繁な歯磨きが歯肉縁下の細菌バイオフィルムを減少させ、細菌の血流侵入を予防したことが考えられます。歯磨きをしてそんなことはないと思います。毎日何となくさぼりがちな方も多い歯磨き、健康のためにもと思って1日3回しっかり磨くようにしませんか?

 

 

 

 

 

 

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