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週1本のワインによるがん生涯リスクはタバコ何本に相当?

[2024.02.19]

 皆さんはお酒は、たしなまれますか?タバコに関しては少量でも健康被害があることは、すでに研究結果として多く報告されていますが、アルコールに関しては賛否あり、少量のアルコールであればという結果も報告されています。では適度のアルコールもやはりリスクなのか?という問いに、英国・サウサンプトン大学病院 NHS Foundation TrustのTheresa J. Hydes氏らが英国のデータを解析し、ワインを1週間に1本飲む女性は、アルコール関連がんの生涯絶対リスクが増加し、この増大をもたらしているのは、乳がんであることを明らかにしました。女性では、週1本のワインは週10本の喫煙に相当するといいます。著者は、「今回の結果は、女性にとって適度な飲酒は公衆衛生上の重大なリスクであることを知ってもらうのに役立つだろう。男性でも、週1本のワインが週5本の喫煙に相当することに注意が必要である」とまとめています。

 研究グループは、適度な飲酒に起因するがんの絶対リスク(1,000人当たりの症例数)の増加を推定するとともに、これらを低頻度の喫煙が関与するがんの絶対リスクと比較しました。
 アルコール関連がんおよび喫煙関連がんの一般集団における生涯リスクから、アルコールおよび喫煙の寄与割合を差し引き、禁酒をしている非喫煙者のがんの生涯リスクを算出しました。これにアルコールおよび喫煙の寄与として、消費レベルの増加も含み、1週間にアルコール10単位の飲酒またはタバコ10本の喫煙の相対リスクを乗じています。

主な結果は

  • 非喫煙者のがんの生涯絶対リスクは、1週間にワイン1本で男性では1.0%、女性では1.4%増加しました。
  • ワイン1本/週によるがんの生涯リスクの絶対増加は、タバコにすると男性で5本/週、女性で10本/週に相当した。
  • 飲酒による顕著な性差は、女性の非喫煙者の乳がんの絶対リスクが0.8%増加することでした。

 今回の報告以前からも、WHOから特に女性の飲酒に関しては発がんや健康に対するリスクが男性よりも多いこと、より少量が望ましいといわれています。少なくとも健康のために赤ワインを無理に飲む必要はないと思います。お好きな方は、多少の危険性増加とトレードオフになる可能性はありますが、1-2日に1杯程度くらいはたしなまれてもよいのではないでしょうか?いずれにしても男性女性とも飲みすぎないようにはしましょう。

 

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