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週末の寝だめは睡眠負債の解消にはならない

[2019.03.28]

 春らしい暖かい陽気になってきました。年度末業務や転居、卒業入学など忙しいシーズンですが、「春眠暁を覚えず」というように、暖かい日差しについうとうととされてしまう方も多いのではないでしょうか?

 日本人は元来世界的にみても睡眠不足が目立つといわれています。また睡眠不足が続くと健康への悪影響が借金のように積み重なる「睡眠負債」を抱えてしまい、身体や精神に不調を来すと考えられています。

 そんな中、平日は忙しくて十分な睡眠が取れなくても、週末に寝だめをすれば睡眠負債は解消しようという方もおられるのではと思います。しかし米コロラド大学教授のKenneth Wright氏らが行った研究から、週末に寝だめしても代謝への悪影響は解消できず、かえって悪い結果になる可能性があることが分かりました。

 この研究は、36人の健康な若年成人(平均年齢25.5歳)を対象としたもので、参加者を睡眠パターンで以下のように3つの群に分かれてもらい、研究室で9日間観察したものです。

1番目のグループでは、対照群として毎晩9時間までの睡眠を取る

2番目のグループでは睡眠時間を5時間に制限する

3番目のグループでは、まず5日間にわたり睡眠時間を5時間に制限してもらった後、週末には好きなだけ遅くまで寝てもらい、再び睡眠時間を5時間に戻して2日間過ごす

 その結果、睡眠不足だった2つのグループでは、血糖値の調節に働くインスリンの危機が悪くなり、夕食後のエネルギー摂取量と体重が増えていました。また、週末に睡眠時間を多く取ると夕食後のエネルギー摂取量は減少しましたが、再び5時間睡眠に戻るとエネルギー摂取量は増え、インスリン危機が悪くなりました。

 睡眠は1日7時間必要といわれています。今回の結果のように糖尿病になりやすい以外に注意力低下によるミスなどの増加が増えると考えられ、こちらも週末の寝貯めでは改善しないようです。忙しい方こそ十分な睡眠時間を毎日務めて頂きたいと思います。

 

 

 

 

 

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